リビングウィルの作成方法|延命治療の意思表示と尊厳死宣言
リビングウィルとは
リビングウィル(Living Will)は、自分で判断できなくなった時に備えて、延命治療についての希望を事前に文書で示しておくものです。日本では「尊厳死宣言書」とも呼ばれます。
リビングウィルの必要性
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自己決定権の行使
- 最期の迎え方を自分で決める
- 尊厳ある死を選択する権利
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家族の負担軽減
- 難しい決断から家族を守る
- 家族間の意見対立を防ぐ
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医療現場での指針
- 医師の治療方針決定の参考
- 本人の意思を尊重した医療
リビングウィルで表明できること
1. 延命治療に関する意思
人工呼吸器
- 装着を希望するか
- 一度装着した場合の取り外し
- 期間を限定した試用
人工栄養・水分補給
- 胃ろうの造設
- 中心静脈栄養
- 点滴による水分補給
心肺蘇生
- 心臓マッサージ
- 電気ショック
- 強心剤の投与
2. 緩和ケアの希望
痛みの管理
- 積極的な疼痛緩和
- 麻薬の使用許可
- 意識レベルとの兼ね合い
精神的ケア
- 宗教者の訪問
- 音楽療法
- アロマテラピー
3. 最期を迎える場所
- 自宅
- 病院
- ホスピス・緩和ケア病棟
- 介護施設
リビングウィルの作成方法
基本的な記載事項
リビングウィル(尊厳死宣言書)
私は、私の傷病が不治であり、かつ死が迫っている場合、
または回復不能な遷延性意識障害に陥った場合には、
以下の要望を表明します。
1. 延命治療について
□ 一切の延命治療を行わないでください
□ 一定期間( 日間)の治療後、回復の見込みがなければ中止してください
□ 可能な限りの延命治療を行ってください
2. 具体的な医療行為について
【人工呼吸器】
□ 装着しないでください
□ 装着しても構いませんが、回復の見込みがなければ取り外してください
□ 一度装着したら継続してください
【栄養補給】
□ 胃ろうは造設しないでください
□ 点滴による水分補給のみ行ってください
□ 可能な限り栄養補給を続けてください
【心肺蘇生】
□ 心肺蘇生は行わないでください(DNR)
□ 状況に応じて医師の判断に任せます
□ 積極的に心肺蘇生を行ってください
3. 緩和ケアについて
□ 苦痛を和らげる処置は最大限行ってください
□ 意識が保たれる範囲で苦痛緩和を行ってください
□ 自然に任せてください
4. その他の希望
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作成日:令和 年 月 日
住所:
氏名: 印
生年月日:
付帯事項の記載
代理人の指定
私の意思表示が困難な場合は、下記の者を
私の医療に関する代理人として指定します。
第1代理人
氏名:
続柄:
連絡先:
第2代理人
氏名:
続柄:
連絡先:
希望の詳細
【私の価値観・人生観】
- 私にとって尊厳ある生とは
- 避けたい状態
- 大切にしたいこと
【家族へのメッセージ】
- 感謝の言葉
- 決断への理解
- 後悔しないでほしいこと
法的効力と医療現場の実情
現在の法的位置づけ
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法的拘束力はない
- 医師の免責を保証しない
- 家族の同意も重要
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尊重される傾向
- 厚生労働省のガイドライン
- 日本医師会の指針
- 各病院の倫理委員会
医療現場での取り扱い
重視される要素
- 本人の明確な意思表示
- 家族の理解と同意
- 医療チームでの検討
実際の運用
- カルテへの記載
- 定期的な意思確認
- 状況変化への対応
効力を高める工夫
1. 公正証書での作成
メリット
- 作成日時の証明
- 本人意思の確実性
- 改ざん防止
手続き
- 公証役場で作成
- 手数料:11,000円程度
- 証人2名必要
2. 定期的な更新
更新の目安
- 年1回の見直し
- 健康状態の変化時
- 価値観の変化時
更新方法
【更新履歴】
初回作成:令和○年○月○日
第1回更新:令和○年○月○日(変更なし)
第2回更新:令和○年○月○日(○○を追加)
3. 関係者への周知
共有すべき相手
- 家族全員
- かかりつけ医
- 信頼できる友人
- 医療代理人
家族との話し合い
切り出し方の例
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自然な話題から
- ニュースや番組を見て
- 知人の経験から
- 健康診断の後に
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前向きな表現で
- 「最期まで自分らしく」
- 「家族に迷惑をかけたくない」
- 「みんなで考えたい」
話し合いのポイント
伝えるべきこと
- なぜ作成したいか
- どんな最期を望むか
- 家族への思い
聞くべきこと
- 家族の不安
- 理解できない点
- 家族の価値観
リビングウィルの保管と携帯
保管方法
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原本の保管
- 自宅の分かりやすい場所
- 貸金庫
- 信頼できる人に預ける
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コピーの配布
- 家族
- かかりつけ医
- 入院時に病院へ
携帯方法
携帯カード例
リビングウィル携帯カード
私は尊厳死宣言書を作成しています。
延命治療についての私の意思は
宣言書に記載しています。
作成日:令和○年○月○日
保管場所:自宅居間の引き出し
連絡先:○○(続柄)
TEL:000-0000-0000
緊急時はこちらにご連絡ください。
関連する事前指示
1. 医療代理人(ヘルスケアプロキシー)
- 医療判断の代理権限
- リビングウィルの解釈
- 医師との相談窓口
2. 臓器提供意思表示
- 臓器提供の可否
- 提供したい臓器
- 提供したくない臓器
3. 献体の意思表示
- 医学教育への貢献
- 大学医学部への登録
- 家族の同意
エンディングノートとの連携
記載すべき関連事項
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医療情報
- 既往症
- 常用薬
- アレルギー
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希望する医療機関
- かかりつけ医
- 希望する病院
- 避けたい病院
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宗教・信条
- 宗教的儀式
- 死生観
- 葬儀の希望
よくある質問
Q1: いつ作成すべき?
A: 年齢に関係なく、意思表示できる今が最適です。
- 元気なうちに
- 冷静に判断できる時
- 家族と話し合える時
Q2: 気が変わったら?
A: いつでも撤回・変更可能です。
- 新しい宣言書の作成
- 古い宣言書の破棄
- 関係者への通知
Q3: 家族が反対したら?
A: 対話を続けることが大切です。
- 不安を聞く
- 思いを伝える
- 専門家を交えた相談
団体・サポート
日本尊厳死協会
- リビングウィル登録
- 会員証の発行
- 相談サポート
各地の医療相談
- 病院の相談窓口
- 地域包括支援センター
- 在宅医療相談
まとめ:自分らしい最期のために
リビングウィル作成の3つのステップ
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自分の価値観を見つめる
- 人生で大切にしていること
- 避けたい状態
- 理想の最期
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具体的に文書化する
- 明確な意思表示
- 定期的な見直し
- 適切な保管
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周囲と共有する
- 家族との対話
- 医療者への伝達
- 継続的なコミュニケーション
リビングウィルは、自分らしく生き、自分らしく最期を迎えるための大切な意思表示です。完璧を求めず、まずは書き始めることから始めましょう。
最終更新日:2026年2月